会社を知る
日本の漁業
漁法開発について。
漁網一筋
、希少な網の
プロフェッショナル
私たち漁法開発株式会社では、海外まき網船で使われる漁網の製作・補修をしています。石巻では漁業に携わる人が多く、引退した漁師や漁師町の女性の手仕事として、漁網の製造もひろく行われてきた土地柄。地域の伝統を引き継ぐ、まき網製造の専門会社として当社は昭和52年(1977年)に設立されました。日本の海外まき網船は、約30隻。そのまき網をメンテナンスできる会社は少なく、日本の漁業を支える網製造の職人集団として、誇りをもって製造しています。
社長ごあいさつ
日本を取り巻く豊かな海は、古来国民の水産蛋白源摂取を支えるだけでなく、国際的にも評価される日本食文化の創造に寄与してきました。
鰹節は日本食に象徴される出汁に重宝され、鰹のたたきなどの鮮魚を食することは旬を味わう代名詞となりました。また、流通加工技術はツナ缶など生活に欠かせない食を提供するようになりました
鰹や鮪を安定的に市場へ提供するうえで、まき網漁業は極めて重要な漁業として古くから日本の漁業の代表として位置づけられています。特に、遠洋に繰り出し他国船と競合しながら日本へ魚を運ぶ海外まき網漁業は、日本の漁業技術の集大成ともいえる船や設備を有して操業を続けています。
弊社は、この技術を網で支える企業です。日本のまき網漁業で使用される漁網は世界的に見ても特殊な存在であり、編み方や仕立の仕方は技術の最高峰です。
グループ会社は世界で1、2を争う規模の生産設備を誇る生産体制を国内外に有し、カスタマイズされる仕立の生産拠点として弊社が存在します。スーパーセナーという大型漁船で使用される漁網は細部にわたり拘りのかたまりです。
その技術を継承し続けこれからも日本の漁業、食産業を支える企業として弊社は必要とされ続ける存在でありたいと考えています。
漁法開発株式会社
代表取締役社長 木下康太郎
〜南太平洋海域〜
海外まき網漁をする海域は、赤道直下、太平洋の中西部。島嶼国と呼ばれる、小さな島々が点在する海域です。そこでは、インド洋、太平洋、フィリピン海からの海流により、豊かな生態系が育まれています。日本のまき網漁船は、島嶼国のEEZ(排他的経済水域)にて漁業のライセンスを得て漁をしています。日本以外にも、さまざまな国が、同じ海域で漁業をしています。
その海域で獲れるのは、主にカツオ、マグロ類といった私たちが普段食べている、なじみ深い魚たち。私たちがスーパーで目にする刺身やツナ缶、かつお節は、その多くが海外まき網漁で獲られた魚が原料であり、海外まき網漁が私たちの食卓を支えていると言っても過言ではないでしょう。
「まき網漁は環境負荷が大きいのでは」という声もありますが、日本のまき網は世界スタンダードのまき網に比べ軽量であることから、漁にかかる燃料(重油)の使用を抑えることができます。また、耐久性に優れ、修理をしつつ長期間にわたって使用されます。大切な海や地球の環境を守るため、私たち製造業者も環境負荷の低減に取り組んでいます。
日本から1週間ほど航海して漁場にたどり着いたら、まずは魚群を探します。レーダー、魚群探知機などの機器を使って探したり、双眼鏡を使って、人の目で探すのも船員の大事な仕事。魚群を見つけたら、船でぐるりと群れを取り囲むように動き、網で囲みます。網には浮きとおもりとなるチェーンが取り付けてあり、海に投入した網がきれいに開くような工夫がされています。魚群の周りを網のカーテンで巻いたら、底の部分のワイヤーを絞って魚が逃げられないよう袋状に。それから順番に網を引き上げていき、網の範囲を小さくしていきます。船に取り込めるぐらい網が狭まったところで、魚はタモですくって水揚げされ、すぐに船内の冷凍室で冷凍保存します。こうした漁を何度か繰り返し、貯蔵庫がいっぱい(船によって異なりますが、700〜1000トン)になると日本へ帰ります。
一度の航海期間は5週間ほど、水揚げと次の航海準備を済ますと、また次の航海へ。船の定期メンテナンス期間には、漁網もメンテナンスします。私たちの出番ですね。