環境負荷の軽減と海の地方創生を実現するためには、廃漁網を循環型でリサイクルする仕組みを構築することが重要です。
その第一歩として、私たちは日本で使用されている漁網の素材に注目しました。調査の結果、多くの漁網にポリエステルが使用されていることが分かりました。
特に「まき網」はその55%がポリエステル製であり、他の漁具と比べても高い割合を占めています。
また、まき網は回収拠点を集約しやすく、分解して素材ごとに分別することが可能であるため、リサイクルに非常に適した漁具であると判断しました。
しかし、日本で多く使われているポリエステル製漁網のリサイクルには、大きな課題がありました。
比較的容易にアップサイクルできるナイロン製に比べ、ポリエステル製漁網の再資源化は技術的難易度もさることながら、安価な原料価格に対してコスト高となるため、リサイクルの仕組みをつくるのは困難でした。
漁網メーカーとして、何としてでもポリエステル製漁網のリサイクルの道筋を作りたい。
私たちは、素材メーカー・帝人株式会社を中心に同じ志を持つ異業種の企業と協同で、
リサイクルプロジェクト「Re:ism」を立ち上げ
ポリエステル製「まき網」のマテリアルリサイクルを
始めました。
2020年に5社でスタートしたTeam Re:ismは、
その後多くの企業・団体が参画し、
今では46社(団体)を数えるまでになりました。
(2025年4月現在)
Team Re:ismが取り組むのは
3種類のリサイクル。
ひとつは廃漁網から新しい再生漁網や
高級アパレル原糸を作り出す
「ケミカルリサイクル」。
廃漁網を原料に、再びプラスチック製品を
作り出す「マテリアルリサイクル」。
浮子やロープなどの漁具もあわせて処理し、
熱エネルギーとして活用する
「サーマルリサイクル」。
Team Re:ismは、
各社がそれぞれの得意分野を活かした
リサイクルに取り組んでいます。